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主な登場人物(本編の進行に合わせて、加筆修正あり)

犀星顔_edited_edited.jpg

●犀星(姓:さい 名:せい 字:伯華/はくか)25歳

 先の皇帝と、母・犀心(さいしん)との間に生まれた、第四親王。母は出産が原因で死亡。母が妾であり、同時に先帝による略奪婚であったため、生後間もなく、宮中から救い出され、元父の手元で育つ。

 剣技と身体能力に優れ、君主の器を予期させるが、同時に周囲には心を開くことなく、寡黙な少年時代をおくる。

​ 従兄弟であり、同い年の玲陽に心を寄せ、多感な時期を過ごしている。

​ 普段は物おじしない冷静な性格だが、玲陽のこととなると豹変し、異常なまでの攻撃性を見せる。

陽顔_edited.jpg

●玲陽(姓:れい 名:よう 字:光理/こうり)25歳

 犀星の母の双子の妹の第一子であり、父親が不明。玲家内で孤立しており、成人後に犀遠によって、犀家に養子として引き取られる。幼い頃から犀星を慕い、互いの成長に大きな影響を与えた。本来、女性にしか表れないという玲家の特殊な力を、男性でありながら強く引いており、出生にも謎を抱えている。傀儡を喰らう力を持つが、それゆえに心が不安定になりやすい側面がある。犀星のためならば、善悪の区別はない。

 大人しく優しい性格で​、周囲のもの全てに自己犠牲的な愛情を注ぐ。都では犀陽と名乗っている。

涼景顔_edited.jpg

●燕涼景(姓:えん 名:りょうけい 字:仙水/せんすい)28歳

 犀家・玲家と堺を接する地方豪族の跡取り。幼い頃から都で厳しい教育を受ける。

 体術に秀でており、知性にも富み、将来を有望視されているが、実際には宝順への謀反を企てている。

 犀星とは都で知り合い、数年間を懇意にしている。故郷の領地と行き来を繰り返す慌ただしい日々を送りつつも、実力を評価され、暁将軍(あかつきしょうぐん)を拝命。朝廷での地位を確立している。

 実妹である燕春には、結ばれぬことを知りつつも、深い愛情を抱き続けている。

東雨_edited.jpg

●東雨(姓:とう 名:う 字:祥雲/しょううん)15歳

 現在の皇帝である宝順帝が、都に引き戻した犀星にあてがった侍従。明るく素直な性格に、犀星の方が面くらうことも。(正直、犀星にとっては苦手なタイプ)もの覚えがよく、すぐに犀星の片腕となってくれる。 

​ その反面、どこか影を感じさせる二面性の持ち主。剣術は犀星からの直伝である。

 出生に縛られ、一時は精神崩壊を起こすほどに追い詰められたが、周囲の助けもあり、まっすぐに成長を遂げた。

​ 涼景の部下、利巧は唯一の友人。互いに一目置く存在となっている。玲凛とは犬猿の仲。

蓮章顔_edited.jpg

●遜蓮章(姓:そん 名:れんしょう 字:梨花/りいか)29歳

 燕涼景の戦友にして幼馴染。名門遜家の嫡男でありながら、家族との縁は薄く、勘当同然である。武術・芸術・知恵に富み、涼景の無二の親友として、陰日向に彼を救う。表面上はふざけた態度を取ることが多く、宮中では放蕩者として知られている。気軽に誰とでも接するが、涼景の不利が絡むと、人が変わったように神経質になり、狂気を見せることも。常に何を考えているのかわからない不敵さを抱えている。

●玲凛(姓:れい 名:りん 字:仲咲/ちゅうしょう)15

 玲陽の異父妹。年齢が離れていることもあり、まだまだ子供っぽさが抜けないが、気落ちしやすい玲陽を支えてくれる人物である。明るく無邪気に陽に接してくれる、唯一の家族。本来、持っているはずの、玲家女性の力は、まだ目覚めていない。玲陽の暗い過去を目の当たりにしており、男性に対する恐怖心と好奇心で揺れ動く。

 東雨とは喧嘩友達として対等以上に渡り合う​。学問・槍術にも長けている。東雨は喧嘩相手である。

●燕春(姓:えん 名:しゅん 字:花景/かけい)15歳

 実兄・涼景を愛しており、自らの気持ちに苦しみ続ける。玲凛とは同年のため、良い話し相手として心を許しているが、時折見せる少女らしからぬ媚態が、涼景の悩みの種でもある。

 幼い頃から病弱であった上に、早くに両親を亡くしたため、涼景は彼女のために医術も学んでいる。

 狂気​じみた一面から、家の者たちには狂姫(くるひめ)とあだ名されるが、本人は気にしてはいない。

●宝順(名:ほうじゅん 幼名:喜春丸 きしゅんまる

 現在の皇帝。人当たりがよく、表向きは民衆に人望のある帝だが、自分に逆らう者、意にそぐわない者に対する処罰は厳しい。身分よりも、力量のある者を重んじるため、賢帝として定評がある。幼い頃は目立たないおとなしい少年であったが、即位後にその活動力を発揮し、一時代を作り上げた。裏では狂気的な肉欲者で、その性癖の犠牲となった者たちも多い。

●利巧(姓:り 名:こう 字:/)16歳

 幼い頃に、家族のために宦官となり、都のあちこちを転々としながら、働いてきた少年

 雇い主にあらぬ疑いをかけられ、危うく命を落としそうになったところを、涼景に助けられた。

 その後、涼景の下で、勉学を積み、現在は若手ながら周囲の信頼を得る一人となった。

 東雨のことを何かと気にかけ、世話を焼いてくれる。軍人としては頼りない、優しい一面が心配されてもいる。

●犀遠(姓:さい 名:えん 字:侶香/りょこう

 皇家に仕えた名家。燕家と並び、歌仙の二家と言われた家の家長。その剣術の腕前は比類なき者とされ、先帝の代に栄華を極めたが、妻を先帝の妾として奪われてからは、領地に追放された。領主として非常に信頼を得ており、退役後も彼を剣術の師として求める者たちも多い。犀星、玲陽の剣術の師匠でもある。玲陽を保護するため、養子として犀家に迎えた。また、燕涼景とも交流があり、彼の命を救ったことがある。

●玲心(姓:れい 名:しん

 犀星の生母。玲家の跡取り候補であったが、妹に譲り、自分は犀家に嫁に入った。都に勤めていた犀遠と共に、良妻として献身的によく働く気立の良い女性。玲家​の不思議な血筋の力を望んだ先帝によって離縁させられ、先帝の妾となる。数年後、犀星を産むが、男子であったために周囲からの嫌がらせが激しく、産後の状態も悪化し、肉体的・精神的に病んだまま、他界する。最後は看病にきた妹の玲芳に看取られている。

●玲芳(姓:れい 名:ほう

 玲陽の生母。男性との性的経験がないまま、玲陽を身籠もり、出産。その噂から、周囲に疎まれ、後継の座を失っている。実兄である玲格の妾となり、玲凛を出産。玲家に伝わる力を最も詳しく知る人物であり、現時点では事実上の後継者となっている。

●夕水(姓:ゆう 名:すい 字:潤稀/じゅんき)28歳

 またの名を夕泉(ゆうぜい)親王(元・詩仙親王)。先帝の第二子で、皇位継承権第一位。側室の子。

 類稀れな容貌と才知を誇るが、奢る事なく宝順に従い、従順に日々を過ごしている。慈愛に溢れ、民衆の信頼も厚い。

 犀星には非常に甘く、まるで母親のように面倒を見る反面、宝順と同じ底知れぬ暗さを併せ持っている。

 玲陽に面影が似ているため、都に来た当初から、犀星は彼に懐いていた。

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